自作ULPの設計でここ数年悩んでいたのはENGINE スラスト
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エンジンスラストは航空力学の教科書には必ず図解入りで説明されているし、模型飛行機を製作する人達には常識問題なのに、なぜか手元のホームビルト機のPLANSでエンジンスラストのDERECTION があるのは皆無
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以前ホームビルト機のファーストフライトの事故報告を見た。
「離陸時に出力を上げたら、浮き上がっていた機体が左に滑って地面にたたきつけらてしまった」と操縦者は証言する。調査結果操縦ミスと見做されているが、本当にそうだろうか?
少なくともEXPERIMENTAL機のライセンサーの操縦者がそんなミスをするものだろうか?
自分なりに勝手に推測するに、主翼がねじれていたか、エンジンのサイドスラストが付いていなかったかのどちらか公算の方が大きいのではないかと思う。
私は、飛行機の自作者が主翼のねじれを見逃すとは思えないので、エンジンスラストの不適が最大の要因でないかと疑ってしまいます。
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ダウンスラストは推力線が重心付近を貫くように伸ばすことで大まかに推測できるはずだが
サイドスラストについてはどうだろう
ゴム動力飛行機の場合、トルクを打ち消すために推力線をわずか右に傾ける方法をとる。
(このサイドスラストが無いと手を離れたゴム動力機は頭を下げ左前方にクラッシュする。)
自作ULPに使用予定のZENOAHエンジンは左回転なので、プロペラは、ゴム動力飛行機と同様ライトハンド回転になる。
やはり推力線を右に傾けるサイドスラストが必要なはずです。
ホームビルト機やULP機のPLANS にエンジンスラストについての指示がないのは、ULP機の場合翼面積に対して、プロペラが小さいので、エンジンにスラストを与えるより、トリム等で調整してしまう方が容易だからかもしれません。
常時、エンジンONの場合は、これでもOKかもしれないが。
計画中の自作ULPモグラーは、エンジンで高く上昇したのち、エンジンOFFして滑空を楽しむことを夢見ているので、エンジンOFF後の操縦特性はオール・ニュートラルにしたい。
そのためには、エンジンON時に発生するトルクは、トリムではなく、エンジン・スラストで相殺しておくのが理想です。
この問題の回答は、実機を扱う航空技術者やライセンサーに聞くより、むしろ、フリーフライト模型飛行機の専門家やベテランに聞いたほうが、実践的な知識が得られるだろうと最近ようやく気がついた。
そこで、私はひょんなことでお近づきになった、電波実験社「翼型」の著者 植本氏にお尋ねしたところ、あくまで、模型ではとことわられたうえで、下記のご説明をいただきました。
氏のご了解を得て、一部ご紹介いたします。
お問い合わせの件ですが、手持ちの資料をベースに連絡させて頂きます。
> ラジコンエンジン機の場合は、ダウンスラスト:2° サイドスラスト:1.5°が一般
> 的です。
> ゴム動力機は機体に対してプロペラが大きいので5°前後と大きな値となっていま
> す。
> 主翼の適正な取付角で航行時に抗力が最も小さくなるように、ダウンもサイドも考え
> られています。
> なのでトリムで調整してもいいんですが、抗力が増えます。またエンジン回転によっ
> てトリムを変える必要が出てきますので
> 操縦は難しくなると思います。(エンジン回転数とトリムが連動していれば別ですが
> …)
> グライダーの場合は、抗力(抵抗)は最大の敵なので、いかにオールニュートラルで
> 飛ばせるかが最大のポイントです。
> トリムで調整するとエレベーターでひっぱている感が出てきて、滑空比が落ちます。
> 本来はプロペラのトルクと水平廻りの回転力から角度を算出すると思われますが、手
> 持ちの資料では計算式まではいきつきませんでした。
> 本件は重要なファクターなので良くリサーチした方が良いと思います。
> 現実レベルでは、エンジンマウントに角度の微調整ができる機能を持たせておき、試
> 験飛行の中で最適にセットすることも可能ですが、
> 手続上許されるかどうかはわかりません…(略) 以上
懇切で明快な説明を頂き、ここ数年の疑問が一気に氷解した思いで感謝の念でいっぱいです。
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模型飛行機のエンジンマウント
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MC30のエンジンマウント
そこで、自作機のエンジンマウントは取り合えず、ダウンスラスト:2° サイドスラスト:1.5°で取り付けたうえ、写真のMC30エンジンマウントのように、スラストの調整を可能にしておこうと思います。
この機会に植本氏のブログをご紹介します。
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エンジンスラストは航空力学の教科書には必ず図解入りで説明されているし、模型飛行機を製作する人達には常識問題なのに、なぜか手元のホームビルト機のPLANSでエンジンスラストのDERECTION があるのは皆無

以前ホームビルト機のファーストフライトの事故報告を見た。
「離陸時に出力を上げたら、浮き上がっていた機体が左に滑って地面にたたきつけらてしまった」と操縦者は証言する。調査結果操縦ミスと見做されているが、本当にそうだろうか?
少なくともEXPERIMENTAL機のライセンサーの操縦者がそんなミスをするものだろうか?
自分なりに勝手に推測するに、主翼がねじれていたか、エンジンのサイドスラストが付いていなかったかのどちらか公算の方が大きいのではないかと思う。
私は、飛行機の自作者が主翼のねじれを見逃すとは思えないので、エンジンスラストの不適が最大の要因でないかと疑ってしまいます。

ダウンスラストは推力線が重心付近を貫くように伸ばすことで大まかに推測できるはずだが
サイドスラストについてはどうだろう
ゴム動力飛行機の場合、トルクを打ち消すために推力線をわずか右に傾ける方法をとる。
(このサイドスラストが無いと手を離れたゴム動力機は頭を下げ左前方にクラッシュする。)
自作ULPに使用予定のZENOAHエンジンは左回転なので、プロペラは、ゴム動力飛行機と同様ライトハンド回転になる。
やはり推力線を右に傾けるサイドスラストが必要なはずです。
ホームビルト機やULP機のPLANS にエンジンスラストについての指示がないのは、ULP機の場合翼面積に対して、プロペラが小さいので、エンジンにスラストを与えるより、トリム等で調整してしまう方が容易だからかもしれません。
常時、エンジンONの場合は、これでもOKかもしれないが。
計画中の自作ULPモグラーは、エンジンで高く上昇したのち、エンジンOFFして滑空を楽しむことを夢見ているので、エンジンOFF後の操縦特性はオール・ニュートラルにしたい。
そのためには、エンジンON時に発生するトルクは、トリムではなく、エンジン・スラストで相殺しておくのが理想です。
この問題の回答は、実機を扱う航空技術者やライセンサーに聞くより、むしろ、フリーフライト模型飛行機の専門家やベテランに聞いたほうが、実践的な知識が得られるだろうと最近ようやく気がついた。
そこで、私はひょんなことでお近づきになった、電波実験社「翼型」の著者 植本氏にお尋ねしたところ、あくまで、模型ではとことわられたうえで、下記のご説明をいただきました。
氏のご了解を得て、一部ご紹介いたします。
お問い合わせの件ですが、手持ちの資料をベースに連絡させて頂きます。
> ラジコンエンジン機の場合は、ダウンスラスト:2° サイドスラスト:1.5°が一般
> 的です。
> ゴム動力機は機体に対してプロペラが大きいので5°前後と大きな値となっていま
> す。
> 主翼の適正な取付角で航行時に抗力が最も小さくなるように、ダウンもサイドも考え
> られています。
> なのでトリムで調整してもいいんですが、抗力が増えます。またエンジン回転によっ
> てトリムを変える必要が出てきますので
> 操縦は難しくなると思います。(エンジン回転数とトリムが連動していれば別ですが
> …)
> グライダーの場合は、抗力(抵抗)は最大の敵なので、いかにオールニュートラルで
> 飛ばせるかが最大のポイントです。
> トリムで調整するとエレベーターでひっぱている感が出てきて、滑空比が落ちます。
> 本来はプロペラのトルクと水平廻りの回転力から角度を算出すると思われますが、手
> 持ちの資料では計算式まではいきつきませんでした。
> 本件は重要なファクターなので良くリサーチした方が良いと思います。
> 現実レベルでは、エンジンマウントに角度の微調整ができる機能を持たせておき、試
> 験飛行の中で最適にセットすることも可能ですが、
> 手続上許されるかどうかはわかりません…(略) 以上
懇切で明快な説明を頂き、ここ数年の疑問が一気に氷解した思いで感謝の念でいっぱいです。

模型飛行機のエンジンマウント

MC30のエンジンマウント
そこで、自作機のエンジンマウントは取り合えず、ダウンスラスト:2° サイドスラスト:1.5°で取り付けたうえ、写真のMC30エンジンマウントのように、スラストの調整を可能にしておこうと思います。
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